お風呂のタイプには、主に「在来工法」と「システムバス」の2種類があります。在来工法とは、現場で下地から仕上げまで行う施工方法です。壁はタイル貼りにしたり、板張りにしたり、浴槽も自由に選べますが、施工には手間と時間がかかります。
一方、システムバスは、浴室の床、壁、天井のパネルと浴槽がシステム化されたものです。工場で製造したパーツを現場で組み立てる施工方法なので、工事期間が短縮できて、防水性も高いのが特徴です。
予算と必要に応じて適切なタイプを選び、身も心も解放されるようなバスルームを実現しましょう。
1:風呂・浴室リフォームの費用相場
浴室リフォームにかけた金額帯は、「50万円以下」「50万円~100万円」「100万円~150万円」「150万円以上」とに分けることができます。
古いユニットバスから新しいユニットバスへリフォームをする場合
●60万円前後のユニットバス
標準的な機能を持つユニットバスで十分、という場合は、60万円前後を見込んでおけば新品のユニットバスへリフォームすることができます。
●60万円〜100万円前後のユニットバス
標準的なユニットバスでは物足りないという方は、100万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
この価格帯ではオーダーメイドが可能になり、デザイン性や機能性を追求したユニットバスへリフォームすることが可能になります。
高齢者のためにバリアフリーを追求したい、特殊な形状の浴槽へリフォームしたい、という方にオススメです。
●100万円〜200万円のユニットバス
材質や省エネ性、広さなど、極限まで機能やデザインにこだわったユニットバスへリフォームしたい場合は、最大で200万円程度必要になります。
在来工法のお風呂からユニットバスへリフォームする場合
在来工法で作られたお風呂をユニットバスへリフォームする場合は、床や壁を取り壊す作業から始めなければならないため、ユニットバスからユニットバスへリフォームする場合と比べて20万円〜30万円ほど費用が高くなります。
標準的な機能のユニットバスへリフォームする場合、80万円前後を見込んでおくと良いでしょう。
2:風呂・浴室リフォームのポイント
お風呂のリフォームを見極めるタイミング
・カビがよく生える、掃除しても取れない
・コーキング材・壁材などにひびが入っている
・排水溝からのニオイ
・介護や老後に備えたバリアフリー化などライフスタイルの変化がある
浴室リフォームのタイミングは、15~20年をひとつの目安として考えましょう。
それとプラスして、自分の状況や家の状況はそれぞれ異なるので、上記のリフォームを考えるタイミングを見ながら柔軟にリフォームを実施することがオススメです。
考えるポイント
最初にやるべきことは、リフォームをする際にどのような浴室にしたらよいか考えることです。
考えるポイントとしては、以下の2点を意識するとアイデアが膨らみます。
1 困っていることはなにか?
2 困っていないができたほうが良いことはなにか?
困っていること例
・冬場はお風呂が寒くて、湯船に浸かるまでがつらい
・保温や追い焚き機能がなくて、最後に入る人が寒い思いをする
・床や浴槽がすべりやすくて危険 など
困っていないができたことが良いことの例
・洗濯物を干しにベランダまで行くのが面倒だから浴室乾燥機をつけたい
・サウナが好きだから、自宅にミストサウナがほしい
・寒がりなので、断熱だけでなく、浴室に暖房がほしい など
3:在来工法とユニットバスどちらがよいか
在来浴室とは?ユニットバスとは?
在来浴室とは?古い戸建てに多い昔ながらの浴室です。
在来浴室の基本的な造りは他の部屋と同じですが、浴室という特性に合わせて防水加工を施しています。
ユニットバスとは、あらかじめ完成した壁・天井・床・浴槽のパーツを浴室に搬入し、その場で組み立てて造られる浴室を言います。
防水性が高く設計されているため、水漏れの心配が少なくなります。また、浴室を全面リフォームする場合には、在来浴室で一つ一つ設計するのに比べて安価です。
浴室の寒さの解消にはユニットバス
断熱性能の高いユニットバスは、導入コストは掛かりますが、ランニングコストを考慮すると、むしろお得となるケースもあります。
戸建住宅でユニットバスが寒い場合には、ユニットバス周囲の外壁の断熱対策がとられていないケースがあります。
しかし、壁面への断熱や基礎断熱の施工は、ユニットバスの交換工事の際以外には難しいです。
窓が設置されたユニットバスの場合は、内窓を取り付けることは断熱対策として有効で、窓からの冷気が緩和されます。内窓のガラスは複層ガラスとし、なるべく厚みのあるものを選んで、サッシは樹脂製とするとさらに効果的です。
最近のユニットバスは壁面パネルや床の断熱性能が向上し、冷たさを感じにくい床材や保温力のある浴槽が取り入れられた商品もあります。
ユニットバスの交換を行う際には、断熱施工を合わせて行うとよいでしょう。また、換気扇から換気暖房乾燥機へ替えると、入浴前に浴室内を暖めておくことができるため、ヒートショック対策としても役立ちます。
ユニットバスの寒さや老朽化も気になり始めたら、ユニットバス自体の交換リフォームを検討してみましょう。